今月末に「ブラックロック・インパクト株式ファンド(愛称:ビッグ・インパクト)」というファンドが新規設定されるようです。
"インパクト株式ファンド"という新しいキーワードが気になったので少し調べてみました。
インパクト投資とは?
あまり聞き慣れない言葉だったので調べてみたところG8インパクト投資タスクフォース国内諮問委員会事務局のサイトに詳しい説明がありました。
2分で分かるらしい動画もありますが、インパクト投資とは「教育や福祉などの社会的な課題の解決を図ると共に、経済的な利益を追求する投資行動」と定義されています。
具体例の一つとしてソーシャルインパクトボンド(SIB)などが紹介されておりポイントを引用すると、
行政サービスを複数年にわたり民間のNPOや社会的企業に委託し、その事業費をインパクト投資家から調達します。事業が実際に成果を上げた場合に、削減された行政コストを原資に投資家に対して償還を行う仕組みです。
などの具体例がありました。
イギリス、アメリカ、オーストラリアなど一部の先進国で導入実績があるらしく、日本においても導入が検討されているそうでなかなか面白い仕組みだと思います。
ファンドのコストについて
実質的な信託報酬率は年0.95944%(税抜0.918%)程度、購入時手数料も信託財産留保額は発生しないようです。
アクティブファンドとして見るとコストが抑えられたファンドのようですね。
ファンドのリスクについて
目論見書を確認したところ一般的なグローバル株式ファンドであげられるリスクに加え「中小型株式投資のリスク」と「デリバティブ取引のリスク」も明記されていました。
なおファンドには為替ヘッジありとなしの2つが設定されるので為替リスクについては選択することが出来るようです。
どんな企業に投資するのか?
投資対象とする企業を選定する際にビッグデータを活用するようです。
ソーシャル・メディアなどからの大量のデータを元に「社会的課題の解決」と「投資収益」を同時に追求している企業を選定するようですね。
目論見書では約3700銘柄の投資対象候補から200~800銘柄に絞り込みを行い分散投資を行うようです。
結構幅がありなんとも言えませんがインパクト投資対象となる企業がそんなもあるのかという印象です。
G8インパクト投資タスクフォース国内諮問委員会事務局のサイトにあるG8インパクト投資タスクフォース報告書(日本語版)についても少し読んでみました。
タスク・フォースの提言が記載されているのですがその中に「投資家はリスク・リターン・インパクトという3つの指標を取り入れる。」という提言が記載されています。
今後、社会的課題を解消するための投資のありかたとしてインパクト投資が話題となるのかしばらく運用状況などを見てみたいと思います。