価格変動リスクを低くするためには値動きの異なる複数の資産を持つ事が良いと言われています。
その際に参考とされる相関係数ですが長期の数字はそう大きく変わる事はなさそうですが、近頃はどんな感じになっているのか少し調べてみました。
相関係数について
wikipediaなどでは相関係数について以下のように書かれています。
相関係数(そうかんけいすう、英: correlation coefficient)とは、2 つの確率変数の間の相関(類似性の度合い)を示す統計学的指標である。 原則、単位は無く、 "1 から 1 の間の実数値をとり、1 に近いときは2 つの確率変数には正の相関があるといい、 "1 に近ければ負の相関があるという。 0 に近いときはもとの確率変数の相関は弱い。
どうも2つのデータ郡の関係を示す数値で
・1に近いほど似た動き
・-1に違いほど逆の動き
・0に違い場合は関係のない動き
と言われていますね。
出来るだけ、逆の動きや関係ない動きをする資産を複数持つ事で価格変動リスクを低く抑えることが出来ると言われています。
「1」に近くなればなるほどほぼおなじ値動きになりますが、ほぼ同じとはいえ多少は効果があるのかなと思い、個人的にはある程度までは複数のファンドや国内ETFへの投資を行っています。
近頃の相関係数はどんな感じか
長期のデータはGPIFやKKRなどのデータが参考になり、基本はそれらのデータを参考にするのが良いと思いますが、興味としては短期の数字がどんな感じなのか気になってしまいます。
そこで昨年1年間の主要インデックスファンドの相関係数についてちょっと確認してみました。
確認対象はeMAXISシリーズの主要9資産の月次データの騰落率を元にCORREL関数を使って算出しています。
分類 | 株式 | 債券 | 不動産 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
国内 | 先進国 | 新興国 | 国内 | 先進国 | 新興国 | 国内 | 先進国 | 新興国 | |
国内株式 | |||||||||
先進国株式 | 0.96 | ||||||||
新興国株式 | 0.84 | 0.77 | |||||||
国内債券 | -0.33 | -0.23 | -0.05 | ||||||
先進国債券 | 0.47 | 0.63 | 0.25 | -0.29 | |||||
新興国債券 | 0.87 | 0.84 | 0.91 | -0.05 | 0.36 | ||||
国内リート | 0.49 | 0.53 | 0.66 | 0.06 | 0.30 | 0.59 | |||
先進国リート | 0.56 | 0.59 | 0.39 | 0.17 | 0.28 | 0.59 | 0.41 | ||
新興国リート | 0.76 | 0.67 | 0.71 | -0.21 | 0.27 | 0.79 | 0.51 | 0.61 |
国内株式はTOPIXを参考にしているのですが、国内株式と先進国株式の相関係数がとても高いようですね。
また新興国株式と新興国債券の相関関数も高くなっているようです。
短期で見てみてもやはり国内債券はどの資産とも相関係数が低く、価格変動リスクを低減させるためには有効なのかもしれません。
しかし調べてみたものの月次で1年では流石にデータ数が少なすぎますね。
せめて週次で確認すれば良かったなと思いつつ、また時間がある時に確認してみたいと思います。
相関係数については、短期すぎては参考になりそうにありませんが、あまり長期でもどこまで参考になるのだろうかと思ってしまいます。
近頃は世界的に株価が連動する事も多いようで、価格変動リスクを下げる事を目的とした場合、海外資産への分散は妥当なのかなとも少し考えてしまったりします。
特に株式資産は今後、相関がさらに強くなっていくような気もしますが、先のことは分からないのでその時々で判断しながら運用するしかないのでしょうね。
まあ、次回調べる時にはもう少しデータ数を増やさないとダメだなあと思いました。