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リバランスの頻度でどれくらいパフォーマンスが変わるのだろうか


資産運用を行う中では価格変動によりくずれた資産配分の比率を定期的に見直し、リスク(変動幅)のコントロールを行うことが推奨されています。

こうしたリバランスをどのくらいの頻度で行えば良いのかという点についてはいろいろな意見があるようですが「全く行わない」のも「頻繁に行う」のもあまり良くないと言われているようです。

そこでリバランスを「全く行わない」場合と「頻繁に行う」場合とでは、どれくらいパフォーマンスが違ってくるんだろうかと思い少し確認してみました。

リバランスの有無と騰落率


リバランスの確認といえば「eMAXISバランス(8資産均等型)」が良さそうなのでこちらで確認してみます。

まず「eMAXISバランス(8資産均等型)」が設定された2011年の10月末から2016年1月末の間での騰落率を表にしてみました。

ファンド2011/10末2016/01末騰落率
eMAXIS TOPIXインデックス 8,83817,711200.40%
eMAXIS 国内債券インデックス 10,38811,373109.48%
eMAXIS 国内リートインデックス 10,81925,153232.49%
eMAXIS 先進国株式インデックス 9,69619,999206.26%
eMAXIS 先進国債券インデックス 88,3914,017158.58%
eMAXIS 先進国リートインデックス 11,24924,469217.52%
eMAXIS 新興国株式インデックス 9,13410,927119.63%
eMAXIS 新興国債券インデックス 9,74511,641119.46%
eMAXISバランス(8資産均等型) 10,10016,929167.61%

この期間でみると国内と先進国の株式資産・リート資産のパフォーマンスが良く、相対的には国内債券や新興国資産のパフォーマンスが低いようですね。

「eMAXISバランス(8資産均等型)」のパフォーマンスは各ファンドのちょうど中間くらいなんでしょうけど、それでも167.61%と十分なパフォーマンスとなっています。

では、各資産をそれぞれ8等分づつ購入し、リバランスをしなかった場合どのような結果だったのでしょうか。

リバランスしなかった場合


先ほどの表を元に各資産を8等分づつ保有しつづけた場合の、騰落率を計算した所、約170%のパフォーマンスとなりました。

この期間ではリバランスなしの方がちょっとだけパフォーマンスが良いようですね。

ちなみにグラフイメージで比較してみると以下のような感じになります。
ついでに「差」だけをグラフにしてみたところ以下のような感じ。
プラス圏は「リバランスなし」の方がパフォーマンスが良い期間ですが、序盤の1年程度は「リバランスあり」の方がパフォーマンスが若干良く、それ以降は「リバランスなし」の方がパフォーマンスが良い感じですが、期間の割には差が少ないようにも感じます。

ある程度、複数資産にバランス良く分散投資していればそんなに差が出ないのかもしれません。

やはりリバランス頻度とパフォーマンスの関係はとてもややこしそうです。


実際には信託報酬差やリバランスにかかるコストなど単純に比較できるものでもないのですが、複数資産にバランス良く分散投資していればリバランスについてはそこまで神経質にならなくてもいいのかもしれません。

またリバランスについてはリスクコントロールのためなのか、パフォーマンスを上げるためなのか、どちらの考えに沿って行うのかという捉え方も少し変わってくるんだろうなとも思います。

ただこうして見てみると、頻繁に行うくらいなら数年に一度程度でも良いんじゃないかなとも思いますがどうなんでしょうかね。

個別ファンドでリバランスを行う場合は売買コストが発生するのでバランスファンドは良い選択だと思いますが、リバランスの捉え方次第では良い選択かどうか改めて考えてみるのも良いかもしれません。

ちなみに個人的には許容リスクの範囲内であればそんなにリバランスしなくても良いんじゃないか、という所に落ち着いています。