新興国の通貨下落が勢いづいてきました。
通貨の下落はメリットとデメリットがありますが何事も行き過ぎると大変なもの。
新興国の通貨下落がとりわけ新興国株式にどういう影響がでてくるんだろうか少し考えてみました。
フラジャイルファイブ?
新興国の中で特に対外債務が大きい5つの国をフラジャイルファイブと呼ぶそうです。
対象国はブラジル・インド・インドネシア・トルコ・南アフリカの五カ国。
だいたいが資源国かつ主要な貿易国が中国です。
特にトルコは石油・天然ガス資源を輸入に頼っているので石油価格があがるとさらに通貨安が大変なことになりそうです。
そろそろ石油価格も下げ止まりそうだし。
通貨安はどれくらい進んでるのか
対象5カ国の通貨であるブラジル(レアル)、インド(インドルピー)、インドネシア(ルピア)、トルコ(トルコリラ)、南アフリカ(ランド)について通貨安がどれくらい進んでいるのか確認してみました。
まず対ドルでの為替チャート(1年)です。
ドル高が進んでいるとはいえ円が対ドルで同時期+15%と考えるとなかなかの勢いで通貨安が進んでいます。
対円ではどうでしょう。対円の為替チャート(1年)です。
日本は円安政策をとっていることや高金利通貨が人気なので下落タイミングが遅れたんでしょうか。
スワップ派やトラリピ派に人気の通貨もありますしね。
とりわけ対円で考えると新興国通貨安は始まったばかりかもしれません。
新興国株式への影響は
新興国のインデックスとしてはMSCI EM (Emerging Markets) Indexがよく使われますがフラジャイルファイブの割合は全体の30%くらいです。
新興国株式への影響はちょっと前に確認した所、ディフェンシブなセクターの組入が少ないようなので景気が悪化するとさらに大きく下落するかもしれません。
下落が止まらない新興国株式と今週の積立投資(2015/35週)
ここにバブル弾けたらしい中国と同じく通貨安で大変な韓国を加えると60%超。やはり新興国は当面厳しいのかなと思います。
特に怖いのはトルコか
個人的にはこの中でもトルコが一番怖いなと思います。
資本流出に原油の下げ止まり、地政学リスクも高いといいところがない。
高金利もいつまでつづくかわからないしやっぱりこの流れは怖いんじゃないでしょうか。
新興国への投資をどうするか
調べてみるとあまり明るい話もなく実際どうなんだろうと思う所もありますが、アセット比率内での投資は続けていこうかなと思います。
でもまあ当分は下げ基調なんだろうなあ、うん。
資本が流出するから通貨が下がるのか、通貨が下がるから資本が流出するのか。トレンドが生まれると一方向で通貨下落が始まりそうです。
杞憂に終わるといいのですが。
新興国株式は信託報酬も比較的高く換金時手数料が発生する投資信託が多いのですがその中で純資産総額が多いemaxis新興国株式インデックスを中心に積立をしています。
exe-i新興国株式ファンドの信託報酬はとても魅力なのですが設定来からみると参考指標との乖離が大きいのでちょっと様子です。
まあexe-i新興国株式ファンドがこれから参考指標との乖離が少なくなっていくようであれば積立対象として見直そうかと思っています。