日本では高齢化社会に向けて介護ロボットなどがこれから”人”に変わる労働力として注目されていますがロボティックスファンドとは一体どういったファンドなのか確認してみました。
ロボティックスファンドの概要
とりあえず目論見書からロボティックスファンドの特徴を確認しました。
主な特徴ですが、
- 国内外の株式に投資
- 銘柄選定はラザード社が行う
- ポートフォリオは約25~40銘柄
...結構ザックリしてます。
その他の主だった情報としては、
購入時手数料 :3.24%(1000万円以内/SBI証券の場合)
信託財産留保額:なし
信託報酬 :年率1.9008(税込)
信託期間 :2025年7月22日
収益分配 :年1回型/年2回型
とあり決算日が年1回のファンドと年2回のファンドがあるようです。
特に年2回型は積極的に分配することを目論見書に記載しており分配方針にあわせて選択ができるようになっています。
第4次産業革命が始まる?
IoTやAIを製造業などに活用しこれまで”人”がやっていたことをコンピュータやロボットが代わりに行う第4次産業が注目されているそうです。
製造業に限らずIoTなどは家電製品での実用化が進んでおり今後も成長が期待できる分野だと思っています。
ロボティクス 最前線(単行本)
ロボティックスファンド売れています
比較的同時期に設定されたファンドと純資産総額を比較してみます。
ロボティクスファンド(年1回決済):97,080百万円
ロボティクスファンド(年2回決済):39,080百万円
ビッグデータ・ファンド : 2,399百万円
ニッセイバランス4資産均等型 : 119百万円
eMAXISバランス4資産均等型 : 6百万円
といった感じでとりあえず売れています。
年1回決済なんかはインデックスファンドで比べてみると「ニッセイ日経225インデックスファンド」と同じくらい売れているようです。
やはりテーマがハッキリしているアクティブファンドは売れますね。
注意したいポイント
すごく売れているロボティックスファンドですが目論見書から読み取れる範囲で注意しておいた方が良さそうなポイントについて確認してみました。
コスト
アクティブ運用を行うこともありコストは結構高めです。
まず購入時に発生する手数料ですが購入金額が1,000万円未満の場合だと3.24%発生します。(SBI証券の場合)
これにプラスで信託報酬として年率1.76%(税抜)発生します。
仮に1年間の保有だとしたら1年で5%程度のパフォーマンスがないと残念なことになってしまいます。
そのため今後期待される産業領域ですがリスクに見合うパフォーマンスが得られるかは考えてみる必要がありそうです。
約10年の信託期間
信託期間が約10年に設定されています。
これからの10年間でIoTやAIがどれだけ普及するか、また企業収益に繋がるかについて見通しを立てて投資する必要があります。
為替リスク
内外の株式に投資を行うようですがどの程度の割合で海外資産への投資を行うのかが目論見書からはわかりませんでした。
海外資産への投資比率が高い場合、もし円高に進むと期待されるパフォーマンスが得られない可能性が高いと思われます。
グローバルロボティクスファンドの運用状況を見てみました(追記)
グローバルロボティクスファンドが登場してから少し経ちましたので簡単に運用状況を見てみます。
2016/09末時点の基準価格および純資産総額の推移は以下のようになっています。
基準価格の変動がそこそこ大きいですが概ね横ばいで、純資産総額は今年頭くらいまでは良い感じで増加していたのですが、今年に入ってからは緩やかに増加しているようですね。
ただこの期間でみると為替(ドル円)が20円程度円高に推移していることから考えると意外な感じです。
少し不思議に思い2016/08末時点のマンスリーレポートから組入れ上位5ヵ国を確認してみたところ、
- アメリカ(35.1%)
- 日本(28.0%)
- アイルランド(8.0%)
- ドイツ(6.8%)
- フランス(5.8%)
ということで、アメリカへの投資比率が極端に高いという訳ではなさそうです。
IoTやロボティクス産業は今後期待される産業領域だと思っていますが国内で見ても既に割高に感じる銘柄も多くコストを上回り期待されるパフォーマンスを得られるかは微妙な感じがしますが、純資産総額の緩やかな伸びを見ていると期待や評価も高いのかもしれませんね。
ロボティクス産業の普及スピードと選定銘柄次第なとこはありますが時々運用状況を見てみたいと思います。
さて第4次産業革命は始まるんでしょうか!?
「ロボテック」というファンドも登場しました